初恋 ―約束。―
気がつくとあたしはまた泣いていた。
「夏鈴…」「夏鈴ちゃん…ごめんねっ、ホントに…ごめん」
「も…いいよ…っ」
あたしは泣きながら愛を許していた。
もう、愛が傷つくのは見たくなかったし。
もとはと言えばみきがいるからって愛を一人にしたあたしのせいだ。
「夏鈴ちゃん…これからも親友でいてくれる?」
「…」
あたしは無言でコクンとうなずいた。
気がつくと空は茜色から群青色へ変わっていた。
「じゃ、今日は解散しますかっ」
みきの明るい一言で雰囲気は一気に和やかなものへと変わった。
「じゃぁ…二人とも、明日学校でね?」
愛がおずおずとあたしたちに話しかけた。
「うん。ばいばい」「またねぇ♪」
明日葉月に報告するんだ。
もう大丈夫だよって。
そして、ちゃんと「ありがとうっ」っていうんだ。