初恋 ―約束。―

あたし、一人で浴衣とか着物とか着れるんだ☆それがちょっと自慢♪

いざ着てみるとイイ感じだった。

「おーっ、夏鈴かわいいっ」

「みきはどんなのにするの?」

「これっ♪」

そういってみきが出したのは、やっぱり紺色の生地。

でも、花火が描いてある。

なんかとっても元気な感じでみきにぴったりだ。

「じゃぁ、これにしますかっ」


あたしはもう一度試着室で着替えて、浴衣をレジまで持って行った。


「あ、お客様、下駄はお持ちですか?」

「「あーーっ!!」」

そうだ、あたしたち、下駄買ってないっ!

「お持ちでないのでしたら、こちらにイイのがありますよ?」

「うわっ、可愛いね?」

「そうだねーっ、あたしこれぇ♪」

「じゃ、あたしはこれ☆」

「ではお会計いたします。」


ウィーン…

店の自動ドアが開き、後ろから、

「ありがとうございましたぁーっ」

という元気のいい声が聞こえた。



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