初恋 ―約束。―
「あーっ、買った買った♪」
「買ったねぇ」
あたしの手には浴衣と下駄の入った紙袋。
お祭りは4日後の日曜日に迫っていた。
「みきっ、葉月っ、瑛也君っ、お祭りのこと決めようよ!」
「そうだな」「そうだね」
やっぱりこの二人、口調は違うけどいうことは同じで面白い。
「お祭りって何時から?」
「えーっとね、これには19時からって書いてあるよん」
「じゃ18時40分ぐらいに夏鈴家に迎えに行くよ」
「じゃぁ、あたしもそのくらいに夏鈴の家に行けるようにしとくわ」
「おーっし、じゃぁそんな感じで!」
「了解しましたぁ☆」
「あーっ、あたし用事があるんだったっ」
「んぁー?いってこいよ~」
「うんっごめんっ」
「そういえば僕も」
そういって瑛也君も席を立った。
「…この前のことだけど、ね」
「わかってるよ。もう仲直りしてんだろ?」
「うん。」
いうんだ、ありがとうって。
「葉月…ありがとう」
言えた、と思ったら自然に笑顔になっていた。
「///べッ、別に俺が何かしたわけじゃねーし!」
「ううん、話聞いてくれて、嬉しかった」
「ばぁかっ!///」
ばか、なんてそんな真っ赤な顔で言われても怒る気になんてなれないよ(笑)
あたしはくすっと小さく笑った。