初恋 ―約束。―

「そうだなっ…わっ!」

どんっ

「…テテ」

「葉月っ!大丈夫!?」

みきが駆け寄った。

「たぶん…ってかぶつかられたんですけど」

「しょーがないよ。お祭りって結構ガラ悪い人も集まるし」

とあたし。

「そうだねぇ…葉月はヤンキーさが前面に出すぎてるからねぇ」

「うっせーなっ」



「きゃぁっ♥」

見知らぬ女の子が瑛也君に襲いかかって…じゃなかった。

こけそうになってる。

瑛也君はその子の腕を掴んでグイッと元の体勢に戻した。

そしてあの王子様スマイルで、

「大丈夫?危ないから気をつけてね?」

「はぁい♪あのぉ、一緒にぃ、回りませんかぁ?」

アピられてる…

「ごめんね、あの子たちと一緒に来てるから」

「…はぁい♥いきなりごめんなさぁい♪でわ☆」

そういうと、女の子はあたしたちの横で「ちっ、ブスのくせに」

と呟いてどこかに行ってしまった。

「なにあいつ!?感じ悪っ」

みきがすぐさま叫んだ。

「俺にもバッチリ聞こえたんですけど」

「まぁまぁ、もういいじゃん?あたしがブスなのはホントのことだし」

そういうと葉月、みき、そして近くに来た瑛也君まで3人そろって目を見開いて。


「はぁっ!?夏鈴、眼科行こうか!」

とみきに言われた。

なんで?




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