初恋 ―約束。―
〝ねぇねぇ、こっち渡ったほうが近道なんだよ?〟
〝そうなんか?〟
〝うんっ!いこっ〟
あたしは「じゃ、競争!」と言って葉月の手を離した。
早く!と笑いながら車道に飛び出した。
パァァァーーーーッ
〝亜美ィッ!!〟
そう。あの時も亜美…って叫んだ。
あたしのことを「亜美さん」に重ね合わせてみてたのかな?
ずっと…出逢った時から…?
「亜美って誰だろう」そんな質問をしたあたしにみきは苦笑いを浮かべている。
「…ぁはは…」
みきは二人のおさななじみだ。
「ねぇっ、みきは亜美さんがどんな人か、誰か…知ってるんでしょ!?」
「…」
「みきぃっ!こたえてよぉぉっ!!!!」
あたしは瞳から温かいものをぽろぽろ溢しながら叫んだ。