初恋 ―約束。―

その日の夜。



あたしは〝あの子〟からもらった、もしかしたら葉月からもらったかもしれないクローバーモチーフのペンダントを手にとって泣いていた。


「葉月ぃっ…お願いだから…思い出してよぉッ…!!」


〝ねぇ、夏鈴ちゃん〟


突然小さな男の子の声が耳に響いた。


っ!!!?


あたしはがばっと顔をあげた。



あたしの名前…〝あの子〟は知ってるんだ…!!



「ぁたし…っ名前…教えたんだっ……!!!」



最初に名前を聞かなかったのは…やっぱり葉月…!!




「あの子は…葉月だったんだ!!!!」



あたしはとうとう叫んだ。




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