初恋 ―約束。―
「俺の…姉貴だ。亜美って呼んでたのは10歳になってお姉ちゃんって呼ぶのは恥ずかしくて、でも姉貴じゃなんかおかしくて。だから亜美って呼んでた。今は姉貴って呼ぶけど…。」
葉月はそこでまた言葉を切ってクスとその時のことを思い出しているのか、微笑んだ。
「おねえ…さん?」
「あぁ。でも俺が10歳の時…交通事故で…っ」
「…」
あたしは何も言えずただ葉月の言葉を待った。
「姉貴は…俺が殺したんだ…」
「…!!」
「俺があの時飛び出さなかったら…姉貴が俺なんかをかばわなかったら…」
「……」
あたしはあの時の光景をまた思い出していた。
「…あの時…亜美って叫んだのは…」
「お前を姉貴に重ねてたんだ。」