初恋 ―約束。―


俺は親に責められることもなく、

ただ親父に肩を抱かれ、

おふくろに頭をなでられていたことだけは覚えている。




姉貴の死因は失血。


事故の時姉貴の周りに血があったことさえ俺は覚えていない。




俺は自分が代わりに死ねばよかったのに…。



そう今でも後悔している。






お葬式でも俺は泣かなかった、というより泣けなかった。



姉貴のクラスメート、先生、親戚…



姉貴の葬式にはたくさんの人が集まって泣いていた。




中には俺を見てひそひそ話をする奴らもいた。




俺が悪いんだからしょうがない…しょうがないんだ…




そう思って何もかも諦めた。












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