流れ星のカケラ【完】
『優貴、バイバイー』
「うん。私のこと忘れないでね??」
『忘れるわけないじゃん!!』
そういって大きく手を振りながらほとんどの子が帰り始める。
お母さん達、遅すぎる…。
「優貴のお母さんどうしたのかな。」
「わかんない…。校門で待ち合わせのはずなのに。」
「もう結構時間経ってるよね…。」
「うん…。」
みんなで写真撮って校門前に来てからもう30分以上待ってる。
何かあったのかな…。
「優貴、一緒に帰ろ?」
「でも、美奈のお母さんもいるし…」
「大丈夫!」
そういうと美奈は美奈ママのもとに走っていった。
しばらくすると、
「優貴ちゃん、一緒に帰りましょう。」と美奈ママが言ってくれた。
「優貴、ハイ♪」
美奈に差し出された右手。
私は左手を出して手を繋いで歩き始める。
このときの美奈の手の暖かさでほんの少しの不安が溶けていった。