流れ星のカケラ【完】
「電話しても繋がらないわ…。」
美奈ママがケータイで電話してくれたけど連絡がつかない。
「優貴、きっと大丈夫だよ。」
「うん…。」
本当にどうしたのかな…。
不安に押しつぶされそうで涙をグッと堪える。
「優貴ちゃん、もしこれで2人が寝てたらたたき起こしていいからね?」
「ハイ…。」
美奈ママの冗談、普段なら思いっきり笑っていられるのに笑えない。
「優貴、私がついてるから。」
「ありがとう。美奈、大好き。」
「私も優貴が大好きだよ。」
美奈、私は何度美奈に心を救われたのかな。
聖に出会うまでに美奈がいなかったら、
私はもうこの世にいないかもしれない。
お母さん達と空で暮らしているかもしれない。
そう思ったことが何度あったんだろう。
聖と同じぐらい、美奈のことは大好き。
美奈にはすごい感謝してるの。
素直に言いたいけど言えない。
なんでだろうね。
憎まれ口ならすぐに言えるのに…。
''ありがとう''たった5文字の言葉が言えないなんて…。