流れ星のカケラ【完】
今までなんで素直にできなかったんだろう。
写真、撮ってもらえばよかった。
お父さんの最後に撮った写真にせめてなりたかったって今思う。
意地張ってないで
『行ってきます』
この言葉を言っていれば…。
よくお母さんに怒られていた私。
怒られるその度に
『なんでこんなに怒られなきゃいけないの?』
そう思うことが何度あったんだろう。
でも、今ではそのお母さんに怒られてた日々が愛を感じる。
もし、私があの時あぁしていれば…
もし私があの時あぁしてなければ…
お母さん達は今も生きていたの?
そう思うことが数えられないことある。
神様はなんでいい人を死なせてしまうの?
なんで私を殺さないでお母さん達を殺してしまったの?
何十回、何百回思った。
お母さん達がいなくなって初めて気づくこの後悔。
私は愛されて幸せだったんだと…。
おばあちゃんがよく言ってた言葉、
「他人には見えても自分には見えない幸福があるんだよ」って…。
私はお母さん達が生きていたとき、
幸福の中にいたんだね。
幸福だから自分が幸福だって気づかなかったんでしょ?