流れ星のカケラ【完】
刑事の人も気がついたのか、
『じゃあこの紙に名前を書いてくれるかな?』と言って紙とペンを差し出した。
コクンと頷いて書く私。
涙のせいで視界がボヤける。
手だってすごい震えている。
ガタガタの字で
''釘宮優貴''と書いて警察の人に渡す。
『じゃあ、年齢と生年月日を書いてもらえるかな?』
コクンと再び頷き
''12歳 19XX年7月7日''と書く。
『ありがとう。』そう刑事さんは言って他の刑事さんの所に行った。
「優貴ちゃん…声、本当に出ない?」
(美奈ママ、出そうとしてるのに出ないよ…。)
「優貴ちゃん、多分これから警察の人に聞かれるかもしれないけど大丈夫?」
お母さん達を殺した人を探すためなら答える。
それが、お母さん達に出来る最初で最後の親孝行だから…。
私がその犯人を見つけ出して…
見つけ出して空に向って謝ってもらうよ。
絶対に、絶対に見つけ出すから。
お母さん、お父さん…どうか私を見捨てないで。
空の上で私を見守って?
私はいつだって釘宮優華と釘宮千鶴の娘だから…。
お母さんお父さん、大好きだから。