流れ星のカケラ【完】
「不可能な夢でも叶えてくれるっていうのは、嘘だと思うかもしれないけど、どこかで叶うと信じている俺がいるんだよ…」
確かに、叶うはずなんてないけど、そんなこと言われてしまったら、
ほんの少しでも、信じてしまうもん。
「私も、聖の気持ち分かるよ。叶うはずなんてないと思ってても、どこか期待してしまうもん。」
聖への想いだって、不可能な夢を叶えるという流れ星のカケラにも…。
「優貴、俺…」
聖が私の隣に座った。
もうすぐ頂上。
どんどんY市の夜景が広がっていく。
ねぇ、今私が想いを伝えたらどうなるのかな?
決して叶わないことかもしれないけど、
もし言ったら聖はどうする?
「…好き。」
勝手に口が動いた。
焦る私。戸惑う聖。
「ち、違うの!この夜景が好きって意味なんだけど…。」
超カミカミじゃんっ!
私の気持ち、気づいた?
気づいてくれないほうが、嬉しいけど…。