流れ星のカケラ【完】

「不可能な夢でも叶えてくれるっていうのは、嘘だと思うかもしれないけど、どこかで叶うと信じている俺がいるんだよ…」

確かに、叶うはずなんてないけど、そんなこと言われてしまったら、

ほんの少しでも、信じてしまうもん。

「私も、聖の気持ち分かるよ。叶うはずなんてないと思ってても、どこか期待してしまうもん。」

聖への想いだって、不可能な夢を叶えるという流れ星のカケラにも…。

「優貴、俺…」

聖が私の隣に座った。

もうすぐ頂上。

どんどんY市の夜景が広がっていく。

ねぇ、今私が想いを伝えたらどうなるのかな?

決して叶わないことかもしれないけど、

もし言ったら聖はどうする?




「…好き。」

勝手に口が動いた。

焦る私。戸惑う聖。

「ち、違うの!この夜景が好きって意味なんだけど…。」

超カミカミじゃんっ!

私の気持ち、気づいた?

気づいてくれないほうが、嬉しいけど…。

< 202 / 319 >

この作品をシェア

pagetop