流れ星のカケラ【完】
でも、気づいてくれればいいのにと思ってしまう自分も心の隅にいる。
「本当にき、キレイだよねぇ…。」
ライトアップされたビル、
車のランプ、にぎやかなお店。
そして、満天の星空。
「聖?」
聖の顔が見えない。てか、見たくない。
そんなので名前を呼ぶだけ。
でも、何にも聖は反応してくれない。
やっぱし、気づいたのかな。
この想いが叶わなくたって、もういいんだ。
叶わないのを承知で聖を好きになっていったんだから。
ただ、今までどおりにしてくれてれば。
「優貴…。」
急に聖が呼んだ。
私は、反射的に聖の顔を向けてしまう。
今まで、夜景を見ていた目を、聖に向けた。
『ただいま、頂上でございます。』
アナウンスが私たちの乗っているところに流れる。
それと同時に、私は聖にキスされた。