流れ星のカケラ【完】
「…じゃあ。」
聖は、片手を上げて、私の前からいなくなった。
「ありがと…う。」
お礼を言っている間に帰ってしまった聖。
私の家の前に来るまで、あのキスから一言も話さなかった。
家に入ってすぐさま自分の部屋に行く。
そしてベッドへダイブ。
「どういう意味なのあれ!!!!!」
訳わかんないよ。
でも、聖も悩んでいたんでしょ?
私よりも、深刻なことで。
今なら、そのことで悩める。
だって、私の現状もそうなんだもん。
聖が私をあの人と重ねていたように、
私は聖を重ねてしまう人がいるから。
でも、この時の私にはそんな気持ちさえわからない。
もっと、早く気づいていれば聖はいなくならなかった?
聖を、光へと導けたのかな?
聖に、恩返しができたのかな。