流れ星のカケラ【完】
「この階段、まだ慣れない…。」
「だよね。でも、もう少しで1階下がるんだよ!」
「でも、この真夏にはいつも以上に無理だ…。」
「美奈、頑張れ!ほら、荷物持ってやるから。」
悟が美奈の鞄を取って前に進んでいく。
「悟、ありがとう!」
ご機嫌の美奈。
さっきのヤキモチ妬いてた時とは大違いかも、なんてことは口に出さない。
私も聖に持ってもらえたり…なんて浮かれるほど聖は優しいのかな?
……優しくなかった。
結局、重たい鞄を1人で持って3年の廊下に到着した。
そして、歩き始めると
『『おはようございます!』』と言って廊下に2手に別れて並ぶ皆様…。
「あの…」
『どういたしいましたか?釘宮様!』
様付け!?ここ何?普通の高校だよね??
「あのさ、様とかもしないでタメで話そうよ?それに、一々並ばなくていいし…。」
『『いえいえ!SPの皆さんにそんな無礼なこと…。』』
…SP?
なんか、琴に聞こうとしたら、チャイム鳴ってそのまま謎の言葉になったんだっけ?