流れ星のカケラ【完】

果物をいくつか買って、私たちはすぐにスーパーを出た。

「じゃ、私はここでね?」

「えっ?美奈も行くんじゃないの?」

「今日、忙しいの。」

…朝、暇って言ってたじゃん。

そんなこともお構い無しに帰っていった美奈。

「よし、じゃあ聖の家に行くぞ?」

「うん…。」

本当に行っていいのかな?

この時、行かなければよかったんだよ。

でも、行っていなければカケラは流れなかった。

でもでも…心が傷つくことはなかったのかな。

この日から、どんどん聖の過去が分かっていくことも知らずに、

私は聖の家に向かった。

「こ、ここ?」

「そう。ここ。」

目の前には大きいマンション。

冬だから、まだ18時なのに真っ暗。

空に星が輝いているだけ。

3つの星が、あった。

オリオン座。オリオン座だけが、唯一自信を持って見つけられる星。

まぁ、きっとみんなそうだと思うけどね。

他の星座は名前は知ってるけど、見つけにくい。

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