流れ星のカケラ【完】

「じゃっ、俺も帰るわ。」

「ほぇっ!?」

「聖の部屋は30階の5号室だから。ほら、これ鍵。」

悟が投げた鍵を受け取る。

「な、なんで持ってるの?」

「まぁな。じゃっ、頑張れよ~。」

手を振りながらすぐに暗闇に消えていった悟。

「勝手すぎでしょ…。」

行かなきゃ、ダメだよね。

私は、''お客様専用駐輪場''と書かれたところに自転車を置いて、

マンションの中へと入っていった。

すごいかも!坂木さんのマンションより大きい!

生徒会室みたいな大理石の床で、インターホンの横には、木製の扉がある。

私は、鍵をインターホンのところに差し込んだ。

ガチャッ

鍵のはずれる音がした。私は、恐る恐るドアを開けて中に入っていった。

「確か、30階だよね?」

エレベーターに乗って、''30''と書かれたボタンを押す。

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