流れ星のカケラ【完】
「よしっ!お粥作らなきゃ…」
炊飯器を開けるとご飯が少し残っていた。
私は棚を端から開けて鍋を探す。
「こんぐらいの大きさでいいかな?」
小さい鍋を取り出して、その中に水とご飯を入れる。
IHをつけてコトコト煮る。
「よし!後は待つだけだぁ。」
聖の家、でかいよ。
一人暮らしっぽいし…。
キッチンの窓からは、星がたくさん見える。
「あっ…。」
急に思い出してしまった。
私とそっくりな女の子のことを。
聖とは春に初めて会ったはずだし…。
それに、私は兄弟はいないもん。
お母さん達の隠し子?
いやいやいや、そんなわけないよ。
ほら、世の中には自分に似ている人が3人いるとか言うじゃん!
…もしかしてさ、聖ってその女の子と私を重ねてる?
あの写真だけ見てると、どうも両思いの感じがするもん。
撮ったのも病院だと思うし…。
その女の子が病気で死んじゃったとか?
で、急に現れた私と重ねてるとか?
たんに、利用されてるだけ、なの?
いつの間にか、涙が出ていた。