流れ星のカケラ【完】
「聖っ!!」
涙が溢れる。まるで、お母さん達が星になってしまった日の夜のように。
もう、これ以上聞きたくない。
私は、聖の名前を何度も呼んで起こした。
「…優貴?」
「お粥、作った、から…食べてね?その後に、薬、飲ん、で?」
私は、床に置いてあった鞄を取って立ち上がる。
部屋のドアのところにきて、
「聖、じゃあね。」
そう残して聖の家を後にした。
走ってエレベーターの所に行って、何度も''▽''というボタンを押した。
早く、聖から離れたい。
ほんの数十秒のことなのに、もう5分もエレベーターを待ってる間隔に陥る。
やっと来たエレベーターに急いで乗って、
下に下りた。
チンッと音がして、1階に到着する。
エレベーターのドアがまだ開きかかっている状態なのに、
私は無理やり手で開けて走って出る。
ドンッ
エレベーターを出て走っていたら、人にぶつかった。
「すみませんっ。」
涙のせいで視界がボヤけてぶつかった人がわからない。