流れ星のカケラ【完】
「美奈、やっぱり無理だよ。」
「えっ!?優貴っ!!??」
私は校舎に向かって走り出した。
無理だよ。聖の顔見ただけで胸が破裂しそう。
私は、階段を上って、4階ではなく屋上に向かった。
「寒い…。」
ぎゅっと首に巻いてあるマフラーを握って、
フェンスの方に歩き出す。
「うっ、うぅ…ヒッグぅぅヒッ…」
しゃがみこんでたくさん流れる涙とともに声を漏らした。
好きだけど、今は見たくない。
だって、振り返った時に見た聖の顔が、寂しい顔をしてたんだもん。
もし、あのまま一緒にいたら聖に呼び出されて、
悪い方向の話をされそうで嫌だった。
たとえ叶わなくても、諦めたくないよ。
初めてした恋なんだもん。いつかは、諦めてしまうかもしれないけど、
諦めたらそれで終わり。
せめて、今だけは聖を想っていたい。