流れ星のカケラ【完】

くじを引いた結果、私は入学した時の席になった。

つまり、今聖が座っている場所。

すごい偶然だなぁと思えた。

それと同時に、もしかしたら聖も?と考えてしまう。

でも、そんな考えは杞憂に終わった。

聖は斜め前の席で、琴が座っていた場所だった。

隣じゃないだけマシだ。

私の隣は悟。前が美奈。

入学式の時の聖と悟の席が前後に入れ替わっただけの懐かしい席だった。

「優貴、大丈夫か?」

「うん。ごめん。」

小声で悟は話しかけてくれた。

授業中、黒板を見ようとするとどうしても聖の背中が見える。

その聖の背中は、どこか寂しげな感じで、

見る度に私も寂しくなる。

いつも4人で行っていた移動教室のときも、

美奈が気を利かせてくれて、別々で行った。

放課後も、4人で下りていた階段を美奈と2人だけで下りて

家に帰っていった。

もうすぐクリスマスということで、咲さんはお店にずっといる。

だから、12月に入った時からは咲さんに会ってない。
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