流れ星のカケラ【完】

「これ…。」

「あの十字架とペアのストラップを作ってたの。」

咲さんからのプレゼントは、ココナツランドの時に聖にあげた十字架のネックレスと同じ十字架のストラップ。

なんて言えばいいのかな?

嬉しいんだけど、聖と今同じなのは…。

そっと、聖に見られないような所につけておけばいっか!

そうだよ!

『人を想うことは自由に誰でもできる権利なんだから。』

お母さんから小さい時に言われた言葉。

『もし、何かあってもそれを思い出して諦めないでね、優貴。』

諦めないもん。

叶わなくたって諦めない。

「咲さん、ありがとう!本当に嬉しい!」

「そう?喜んでもらえたならよかった♪あのね、いきなりで悪いんだけど、仕事がこの後もあるからこれでさよならするね?」

「うん。仕事、頑張ってね!本当にありがとう。」

咲さんは、靴を履いて出て行った。

「絶対に、諦めない。聖が他の人を好きだろうと、私が諦めなければいけないというルールはないんだから。」

今は聖と話せなくても、いつかまた、いつもみたいに話せる日が来ると信じてる。

諦めない。今は、普通に戻れることだけを願って、

前に進む。



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