流れ星のカケラ【完】
8章~5つ目のカケラ~

今日は、クリスマスイブ。

そして、明日から冬休みとなる。

諦めないと改めて決心した私だったけど、

いざ聖を見ると避けてしまっていた。

だから、もうお見舞いをした日以来、聖とは話していない。

明日はクリスマス。

クリスマスの奇跡は起こるのかな…。

「優貴っ!あのね、ちょっといい?」

放課後、美奈に連れられて後夜祭で使われた庭園に向かった。

「こんなところまで来て、どうしたの?」

美奈は、私の気持ちをわかってくれているのか、

いつも『無理をしないでね』としか言わなかった。

私が聖を避けている時も、私の傍にずっといてくれた。

「今日、23時に星校の屋上に来てくれないかな?」

「でも、23時って補導されるんじゃ…。それに、学校は鍵を貸してくれるの?」

しかも、何しにここに来るの?

「大丈夫!鍵は生徒会長が取ってくれたの。それに、屋上でみんなでクリスマスカウントダウンするっていうだけだからさ。私、仕事がギリであるから1人で行ってもらえる?」

「そういうことなら…わかった。」

私って馬鹿だよ。こんな嘘をこの時は鵜呑みにしてたんだから。

でも、美奈と悟と5組のみんなのおかげで、

聖と結ばれたんだ。

「ごめんね。私ずっと美奈に伝えるの忘れててさ、みんなの前で言うのなんか言いにくかったの。」

「大丈夫♪教えてくれてありがとう。ねぇ、やっぱり聖は来るのかな?」

「うん。でも大丈夫だって。5組のみんなが来るんだしね。」

「うん。」

私たちは、教室に置いてきた鞄を取りに教室に戻った。

その時、私の目の前で

「琴、今日楽しみだね!」と言った美奈の言葉を本当に信じていたんだ。

「うん!じゃあね~」そう言いながら教室を出て行く琴と静香と夏海。

美奈は、わざと言ったんでしょ?

本当だということを確実に信用させようと。





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