流れ星のカケラ【完】
聖の言葉で拭いたはずの涙がまた溢れ出る。
「最初は、雪菜と重ねていた。優貴の名前を呼ぶ度に胸が締め付けられた。でもさ、優貴の笑顔とか仕草とか雪菜の時は見れなかった部分がたくさんあって、雪菜と優貴が違うって思えたんだ。でも、違うってわかったのに気持ちの整理がつかなくて、優貴に辛い思いさせてた。本当にごめん。」
「聖、顔あげて?私、いいよ。正直言って辛かった。でも、そのおかげで諦めない心を知ったの。香水だって、雪菜ちゃんが選んでくれたの、私すごい好きなんだよ?その匂いがすると、心が温まるの。私、聖が好き。聖が私の初恋の人なの。そして、私に希望の道を与えてくれた大切な人なの。」
「優貴…ありがとう。」
「ううん。ありがとうは私の方だよ。暗い闇から助けてくれてありがとう。聖がいなきゃ、今の私はいなかった。」
「優貴…俺優貴が好きだ。付き合って?」
「うん。」
涙を流しながら、私たちはキスをした。
想いが通じ合ってから初めてのキス。
優しくて、愛が感じられたんだ。
そして、2つの流れ星が流れる。
「2人で揃ったね。」
「そうだな。」
5つ目のカケラ…………愛。
「聖の夢は何?」
「俺は、前まで雪菜にもう一度会いたいと思ってたけど、今は何も無い。優貴がいるから。」
「私も、お母さん達に会いたいって思った。でも、ないよ。今があるだけでいい。」
この時、『聖とずっと一緒にいたい』そう言っていれば聖は消えなかった?
「聖、誕生日おめでとう。」
聖の腕から見える時計が12を指していた。
「優貴、メリークリスマス。」
そして、私たちはまたキスをした。
優しく、温かいキス。