流れ星のカケラ【完】
「聖、これ…。」
私はケーキの箱を渡す。
「ケーキでごめん。」
聖は、受け取って中を開けた。
「チョコクラウンじゃん。俺、1番好き。もう1個はミルフィーユ?」
「うん。何選んでいいかわかんなくてさ、私が1番好きなの買ったの。」
「じゃあ、優貴がチョコクラウン食って俺がミルフィーユ食うよ。」
「えっ?だってこれ、聖の…」
「Remerciements。感謝の気持ちを込めて、2人で食べよ?」
「…ありがとう。」
私たちは、箱の中に入っていたプラスチックのフォークで食べ始める。
ありがとう、そう心の中で何度も聖に呟きながら。
食べ終わった後、聖からもう1つ驚くことを言われた。
「優貴、俺があげたのつけてくれてたんだ。」
「うん。諦めないっていう意味を込めて…。」
「実はさ、そのネックレスってペアなんだ。」
聖は、コートの内側のポケットからネックレスを取り出す。
「優貴のは石がピンクだけど、俺は黄色なんだ。なんでだろうな、買ってから気づいたんだけど、ピンクのヤツはピンクダイヤモンドっていう宝石で宝石言葉が''約束された愛''なんだ。で、俺のがイエローダイヤモンドで''希望の変化''。俺、ずっとこれ持ってたから変わったのかもしれない。恋も希望も…。そして、神様は知ってたのかもな俺たちが今こうしていられるということを…。」
全く知らなかった。
でも、嬉しかった。
そんな言葉があるものを、聖は知らずに買っていたなんて…。
てか、ダイヤモンドって高いよね?
私、ケーキだよ?
「聖、ありがとう。」
「いいって。」