流れ星のカケラ【完】

トーストを食べていると、聖もお皿を持って向かい側のイスに座った。

「んぐぐぐぐっ!」

私って、とことん馬鹿だ。

聖に見とれて食パンを喉につまらせるなんて…。

「優貴っ!!」

近寄らないで~!聖の匂いだけでノックアウトしそう。

私は、急いでマグカップに入ってたココアを飲む。

こういう時、猫舌じゃなくてよかったぁって思える。

「だ、大丈夫…。ごめん。」

「何があったんだよ?」

聖に見とれてたんです。…そんなこと言えるわけない!

口が裂けても言わない!

私が黙ってると、

「何があったのかちゃんと教えろよ。」

そう言ってまた近づいてきた。

「近づかないでっ!」

…言っちゃったよ!

絶対に勘違いされるし!!

「ち、違うの!これにはわけが!!!!」

「ほーう、何のわけがあんだよ?」

あの、今目の前にいる聖は昨日屋上で泣いてた聖ですか?

「いや、あの、その…」

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