流れ星のカケラ【完】

『今日、カンボジアの子どもたちにたくさんの食料が支援されました。』

アナウンサーが言っていた。

「なぁ優貴、優貴の夢って何?」

「私の夢はね、宇宙飛行士になることだよ!馬鹿げてるかもしれないけど、宇宙に行って、星になったお母さん達に会いに行くの。」

「馬鹿げてなんかねぇよ。優貴ならきっと叶うよ。」

「ありがとう。聖の夢は?」

「俺の夢は、世界の貧しい子どもたちを助けてやりたい。色んな世界の子どもに会って、その現地の現状をもっと多くの人に知ってもらいたい。たった1人じゃ無謀だけどな。」

「無謀なんかじゃないよ。聖、すごすぎるよ。聖なら絶対にできる!私、応援する!」

「サンキューな。」

その時聖が見せた笑顔は、あの写真と同じぐらいに輝いて見えた。

聖、カッコいいよ。聖の夢はどんな人よりもすごいと思う。

「優貴、元旦の日一緒に初詣行かね?」

「いいの?行く!」

「じゃあ10時に優貴の家行くわ。」

「わかった。」

元旦なんかに、聖と会わなければよかった。

ううん。行ったとしても、違う神社にしておけばよかったんだ。

クリスマスは、聖の家で映画を何本か見てからイタリアンのお店に行った。

勿論、そこのお店でケーキ頼んでお祝いした。

聖、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれて、ありがとう。

そう私はお洒落なジャズが流れるお店でお祝いしたんだ。

最後の誕生日…

もっと盛大にしておけばよかった。

そう後悔が今は押し寄せる。

聖、本当にごめんね________





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