流れ星のカケラ【完】
「聖っ!!」
私は走り出す。涙をいっぱい目に溜めて…。
「聖、ひじり…」
「ゆ、き…」
聖は大量の血を流していた。
私は、聖の頭をそっと膝の上に乗せた。
「聖、しゃべらないでっ!誰か、救急車をっ!!」
大勢の野次馬に向かって私は叫ぶ。
「聖、死なないで!聖まで私の前からいなくならないでよ。」
ポタポタと私の涙が聖の頬をつたる。
「聖、消えないでよ。こんなのありえないよ。聖は私の希望の道なの。」
「ゆ、き…」
「聖、お願いだからしゃべらないで!」
そう言ってるのに聖はしゃべろうとする。
「優貴…ごめん、な…。俺、ずっと…空で、見て、るから…。優貴、」
『愛してる』
そう言って聖はそっと瞼を閉じていった。
聖の手、頭、身体、足、全ての力が抜ける。
「聖っ?ねぇ、なんで目を閉じてるの!?ねぇ、なんで?聖、嘘だよね?」
私の問いかけに、聖は2度と反応しなかった。
聖の唇に、私はキスをする。
でも、聖の唇は冷たくなりかけていた。