流れ星のカケラ【完】

しばらくすると、救急車とパトカーがサイレンを鳴らして来る。

聖は、担架に乗せられて救急車の中へ乗せられる。

「聖っ!」

私も乗り込もうとしたら、

「優貴ちゃんっ!」

急に声がした。振り返ると坂木さんがいた。

「優貴ちゃんは、この事故の目撃者だから、話を聞かせて欲しい。」

あの時と同じだ。

お母さん達が星になった時も、''事故''と言われた。

「…はい。」

本当は、聖の傍にいたかった。

でも、いくら頼んでも、いくら坂木さんでも無理だと思ったから、
素直に従った。

「聖はッ…私を…私を助けてッ…」

聖、なんで私を助けるの?

なんで、聖は消えてしまうの?

やっと、想いが通じ合ったのに…。

どうしてよ。

力が抜けて、その場に崩れる。

「優貴ちゃん…。」

「なんで、なんで私はいつも大切な人を目の前からいなくならされてしまうの?なんでッ…なんで聖まで、消えてしまうの?」

きっと今頃は、本当だったら悟の家出盛り上がっていたんだよ…。
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