流れ星のカケラ【完】
「別にいいじゃんよ。聖が自分から名前で呼んでって言ってきたんだから。」
「私も神田くんのこと名前で呼べる日が来るかなぁ。」
美奈だったらすぐに来るでしょ?
早ければ教室を出て今?
「美奈だったら大丈夫!後ろから2人見るとすごいお似合いだし。」
「なんかそう言われると照れる///」
「ねぇ、でもさ美奈って事務所的に恋愛とかOKなの?」
「う~ん。社長も何にも言ってこないから大丈夫じゃない?仕事だって学校のこと考えて入れてくれてるし。」
「いい社長さんだねっ!」
普通、そんなに気の利く社長っていないと思う。
「うん♪てか、もうすぐチャイム鳴るし!!」
気づけばほとんどの女子が更衣室を出ていた。
美奈と私は小声で縮まってこそこそ話してたからみんながもう出て行くのにあんまし気づいていなかった。
「優貴待ってよ!!」
「美奈早く!」
遅刻を恐れた私はチャチャッと着替えて更衣室のドアの前で美奈を呼んでいる。
「優貴、着替えるの早すぎだから!」
「遅刻したら成績下がるもん!!」
成績が下がったらもう終わり。
今までの努力が水の泡となる。
声と笑うことが出来なかった私だったけど、
テストのおかげでオール5だったもん。
星高にはトップで入れたしね。
急いで走ってチャイムがなる1分前にグラウンドに着いた。
「優貴、足速すぎ。」
「そうかな?」
「そうだよ!!優貴、昔からなんでも出来てたし…。」
なんでもっていうか、ただ走るのが好きだったり、
スポーツをするのが楽しくて仕方がなかった。
あの事件のしばらくは全然動くことが出来なかったけどね。
何気に夢と希望を持って、悲しみも和らいだと思ってたのに体は違った。
「今日、何するのかな。」
「たしかバスケ?」
バスケとかめっちゃ楽しいのじゃん!!
あの敵を抜かしてシュートするのがたまらない。
サッカーもそんな感じだけど、バスケの方がボールと一体になった気がして楽しい。