初恋は雨
ある雨の日に
「今日も雨か…」
私、宮崎あんなは
そう呟いた。
空は一面重たい色の曇り空。
ぽつぽつ落ちてくる
雨は傘にぶつかって
転がり落ちていく。
「あーあ、ギター
濡れちゃうよ…」
私は買ったばかりの
ギターを気にしながら
細い道のりを
歩いていった。
私はバンドを
組んでいる。
その名も『summer』
雨とは無縁の名前。
私は一応高校2年。
でも高校そっちのけで
バンドにうちこんでいる。