二度目の"好き"を 初めての"愛してる"を


――どうして名前呼びなのだろうか。

別れたからっていう理由もおかしいかもしれないけど男に慣れ慣れしく名前呼びされるのは得意じゃない。


「…そんなに名前呼びが気に入らない?」


えっ?なんでわかっ・・・



「全部、声に出てんぞ」

「うそっ・・・」

慌てて口を押さえたけど、もう遅い。

しまったな~ι


「・・・ま、俺は気にしないけど」


気にしろよ!


「用がないなら私はこれで…」
「冷たいなぁ。せっかく再会したのに他にはないわけ?」

イジワルっぽく笑う福野。


その表情を見ると懐かしく感じてきて、気が緩みそうになったが…元カレに会ってなにをするのよ!



「残念。私、そういう趣味はないから。じゃ」

そう言って立ち去ろうとしたら


「待てよ」

パシッと手首を掴まれた。

< 15 / 34 >

この作品をシェア

pagetop