二度目の"好き"を
初めての"愛してる"を
そんな私の願いは届かず、福野は手を離そうとはしない。
ここは水族館の入口付近で、家族やカップルたちが行きかっている。
私たちだけおかしかった。
「…水族館行かねぇのかよ」
「…行かない」
ほんと最悪だよ、皐。
本気でルームシェア止めよっかな。
--でも、私も私だ。
本当ならここまでイライラしない。
作り笑いでも浮かべながら数時間我慢すればいい話。
それさえもできないのは-…福野の顔が見れないから。
まったら、その後を容易に想像がついてしまう。
だから絶対に振り向かない!
「そうか…。わかった」
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***
「・・・ねぇ」
「あ?」
「どういうつもりよ、これ」
数十分後、私の考えでは映画を借りて家で1人で見ているはずだったのに…