二度目の"好き"を
初めての"愛してる"を
「あれれ~?。福野くんはいいの~?」
皐は私にくっついてニヤリと笑う。
「っ……」
胸がドキッと鳴る。
“福野”とは福野 陸(フクノ リク)といって高校1年生のときに同じクラスになった同級生・・・・であり、私の元カレである。
明るくてスポーツができる人気者。
皐と広裄くんが付き合いだしてから話すようになり、告白されて付き合っていた。
楽しかった・・・本当に。
だけど、周りは快く思わなかった。
皐みたいに強くなれなくて、周りの批判や家庭問題で精神がボロボロになった私は
--彼に別れを告げた。
好きだったのに――
素直になれなくて、何度も後悔した私の切ない過去。
「福野は関係ないよ」
別れた後はメールもしていないし、進級してからはクラスも変わって会話もしていない。
とっくに忘れた過去なのだ。