*ビターチョコレート*
先輩と一緒に話している時間は緊張するけどあっという間で、私たちはカフェを出た
外はもう暗くなっていて涼しい風が熱くなった顔を冷やす
「もう暗くなっちゃったね!!ごめんねこんな時間まで。駅まで送ってくよ」
「いえいえ!!ほんと先輩と話してる時間が楽しすぎて時間なんて忘れてました!!」
先輩は私の歩くペースに合わせながらゆっくりと歩く
私は先輩の顔をこっそりと見上げて長い睫ときれいな鼻筋、そして優しい笑顔に見とれていた
そんな時ぱっと後ろから車のライトが光る
私は相変わらずぼーっとしていると先輩はグイッと私の腕を掴み引き寄せる
そして私を車道とは逆側に移動させた
「危ない。こっち歩きな?」
そう言って私を見下ろす
先輩の優しさと
腕を掴んだ時の力は男の人の力
そんなギャップにドキドキした
「あ、ごめんなさい。ありがとうございます!」
私はチョコンと頭を下げた