*ビターチョコレート*
とりあえず家の中に入れてもらい、リビングに案内された
とてもきれいなリビングで少し寂しく感じるくらい物が少なかった
私は先輩に言われ、ソファーに腰かける
そして先輩が出してくれたお茶を一口飲み込んだ
少し変な空気が流れている
私は先輩と小野崎を交互に見て眉間にしわを寄せた
この二人が兄弟なんて...
同じ環境で育って何でこんなにも性格の差が??
共通しているところといえばタイプは違うけど顔が整っているっていうところだけ
もう一度先輩のことをそっと見るとまさかの目がパチッと合う
先輩は微笑み、私の隣に座った
「まさか奏と柚子葉ちゃんが同じクラスだったなんてね??びっくりさせちゃってごめんね??僕は小野崎玲。奏の兄なんだ。」
「いえ、確かにビックリしましたけど…まさか兄弟なんて」
私が小さい声で呟くと少し離れたところにある食卓の椅子に座っている小野崎が机に肘をつきながら私のことを面白そうに眺める
「兄貴~、確かに俺のクラスにこんな様なやついた気もするけど人違いかも。俺のクラスの奴は口も悪いしバカだしこいつとはキャラちがうわ」
そんな言葉に私はキッ!と小野崎を睨んだ
「へえ、柚子葉ちゃんクラスでは元気なんだね??」
そうフォローしてくれる先輩
「いや、そ、そうなんです。やっぱ友達とだとなんだかはしゃいじゃって...」
目を反らしながらそんなことを言うと先輩は私の頭をポンと撫でる
「そっか!僕の前でももっとはしゃいでくれていいのに?」
そんな言葉に顔が熱くなる
私は小野崎を視界に入れないように先輩だけを見つめる
そんな時小野崎がぱっと立ち上がる
「あーあ、ばかばかし。恋人ごっこなら部屋でやってくんね??」
そうすごく嫌な顔で私を睨む小野崎