*ビターチョコレート*
放課後、あたしはチズルの手を引いて3年生の階に行った
3年生の階は自分達の階とはなんだか雰囲気が違くて、空気までが違う気がした
見た目も中学から上がりたてのあたしたちとは違い大人びていて、キラキラと輝いて見えた
そんな人達がぞろぞろと通る廊下にいるあたしたちはやはり場違いで、通る人たち皆があたしたちを横目で見る
「チズル、ごめんね!!」
あたしは眉潜め、体も気持ち小さくして謝る
「大丈夫!柚子葉ちゃん、頑張ってね!」
そうガッツポーズを作るチズルは回りの目など気にしてる様子はなかった
その時、あたし達の隣を通り過ぎる先輩
あたしは見逃さなかった
あたしは緊張で声が出ず、通り過ぎる先輩を目で追いながらも行ったり来たりするだけで何もできない
早くしないと先輩は行ってしまう!
そう焦ってるときチズルがあたしの背中を思いっきり押した