私がヒールをぬいだ時
翌日、午前中につかさはきてくれた。手つきは慣れたもんである


『昨日の夜暑かったやろ?』


『暑かった…寝不足やわ』


『今晩からは快適やで。』


『今晩は徹夜。これで頑張れるわ。ありがとう』


『なんや…飲みに誘おう思たのに』


『行く訳ないやろ…噂広まるわ』


『ええやんか、お互い独身なんやから。そんなん噂するほどみんな暇ちゃうわ』


『…考えとく』


『こんな田舎でも一目気にせず飲めるとこあるねん』


『まあ今度案内してや』


『前向きに考えといてや〜ほんなら月末に請求書いれとくし』


『まけといてや!』


『はいはい、まいど』



クーラーは快適だった…お母ちゃんも二階にあがってきて体感する


『下は去年新しくしたんや。古かったからな。おばちゃんよう長いこともったな〜ってにいやん驚いとった』


『あ、お母ちゃん。これ今月分の生活費。足らんかったら言うて。これからはこっちで住むんやから』


『こんなんもらいすぎや。ひかるちゃん、服とか買いや』


『もうそんなに着飾る事せんでもええし。かまへん。余ったらお母ちゃんのへそくりにしたらええから』


私は笑いながらお母ちゃんにお金を渡した


これからは私が守っていく家だからほってはおけない



夕方、コンビニに夜食を買いに行った


おにぎりやらカップ麺やペットボトルのお茶


ついでに自分の載ってる雑誌を買う


レジをまってると見覚えのある後ろ姿に遭遇した


…!私が東京行く前に付き合ってた元カレだ!相変わらずくそ暑いのに上下黒のスーツ着て…あの時なんで好きだったのか未だに不明…


私は気付かれないように俯いたままレジにすすんだ…


パチンッ!


指を鳴らす音がした


『久しぶり、ひかる!』


あっちゃ〜見つかった…
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