私がヒールをぬいだ時
朝日が差し込む頃、仕事は一段落ついた


できた原稿をまとめて、封筒にいれる。封筒といっても固い箱のようなものである


朝からカップ麺を食べて、私は少し眠った


佐々木の夢でうなされて、あまりよく眠れなかった


外は雨…歩いて郵便局だなとため息をついた


東京にいても、こっちにいても梅雨のあめは嫌いだ。でも来週には梅雨明けするだろうとテレビではいってる。そして来週は妹の誕生日でもある


なにかプレゼントしなきゃと私はブティックをしている友達に頼んで、チュニック、ミュール、帽子を見立てて欲しいと頼んでおいた


お昼にタクシーで郵便局で原稿を出し、友達の店にいった


『美子久しぶり!元気やった?』


『元気やで!突然電話くるんやもん、びっくりするわ。見て、私が選んだの』


『うんうん、丸ちゃんに似合いそうやわ。なんか箱詰にできるかな?』


『出来るで。ほんでひかるちゃんは、もうずっとG市おるん?』


『そのつもり…』


『いろいろあったんやろな。私もそうやけど、女一人生きるいうんは中々大変なもんやからな…』


『ほんまに…特に美子はシングルマザーやからな。よう頑張ったと思うわ』


私はプレゼント用に包装された箱を持ち、タクシーで家まで帰った


『ひかるちゃん、お昼ご飯何しよか?晩御飯は?』


『あるもんでいいよ。私、やきめしでもするわ…お母ちゃんは?』


『私、ラーメン食べてん。さっき丸ちゃんきててな、保健所の近くにできたラーメン屋いってきたんよ』


『ほんまかいな。私も行きたかったわ。まあ今度いくし』


私は材料をきるとご飯と炒め始めた


『夜は煮魚でもしたら?カレイ残ってるし』


『そうしよか、そうや、ひかるちゃんは運転はできるんか?』


『できるで東京でもしとったから』


『くにちゃんが、車新しいの買うんやて、だからお姉さんに譲るわって。そしたらお前も便利やろ?』


『助かるわ!庭にまだ丸ちゃんが使ってた駐車スペースあるし!』


田舎に車は必要である!これで移動も楽々だ
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