私がヒールをぬいだ時
二階の六畳二間には段ボールと少しの家具家電が置かれていた


『ひかるちゃん、なんやら家具少ないな。この大きな机は仕事で使うんか?』


『そうやで。これが私の収入源やからな。ベットは昔のまだ置いてくれてて助かったわ』


『時々丸ちゃん泊まりにきてたからな…』


『丸美のお店どうなん?焼鳥屋は』


『結構流行ってるで。夫婦とバイトさんでなんとかなぁ。夜にでも食べにいったったらどうや』


『そやな、タクシーでちょいと行ってくるわ』


私はデスクに仕事道具をまず入れて整理した。ネットに繋げるのは明日にして、とにかくたんすに衣類をいれたり、テレビ、オーディオをセットした


そのうちにお父ちゃんが帰ってきて、晩酌がはじまった


マツはお父ちゃんが大好きなようで、晩酌に付き合っている


『マツもご飯食べや。ほら』


なんだ!この豪華な餌は


鶏肉をほぐして、まるで一品料理のように綺麗に盛っている…


『マツは鶏肉が大好きなんよ。昆布のダシで1時間煮込んでほぐしてあげるねん。あとのスープは私のうどんのダシ』とお母ちゃんは嬉しそうに話す


マツが、フフンという顔で私を見た…つまりここは…


お父ちゃん→お母ちゃん→丸美→マツ→私…の順になっているのだ!


なんて奴が現れたんだ!
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