私がヒールをぬいだ時
『でも裏切ったには違いないんやから、あんたが悪いわ。誠意の見せ方もイマイチだったんちゃうか?』


『悪いのはわかっとるよ。ひかるの時も俺が悪かった…』


『昔の事はええよ。あんたももう少し落ち着きや…』


『なあ、たまにこうやって相手してくれんか?ひかるには何でも話せるんや』


『元カノなんかと会うより新しい恋探すほうがいいと思うけど…まあ別にええよ』


『結構淋しい夜あるねん』


『よういうわ…』


私は11時くらいにタクシーに乗って家に帰った

つかさの気持ちもわかるよ。悪い奴じゃないし…でも奥さんはつねに年の差は感じてただろうし、浮気相手が25の小娘だって知った時はショックだったと思う


こうやって男は平気で女の心を傷つけるのだ


あの時私はどれだけ傷ついたか


〜結婚する自信がなくなった〜


こんなの理由にならない!でも未だに忘れられないのは付き合いがながかったからかな…5年は私的には長い…


携帯にもまだ彼の名前がある。消却できない格好悪い自分がいる


今頃は私という存在がいなくなって、すっきりしてるだろう


この家に帰るまでの半年、私は仕事もしたくなかった


でも追い立てられ、なんとなくだが続けてこれたのは女の意地である


こんなことぐらいで『立花ひかる』は潰れちゃいけない


私は明日やるはずの絵コンテを描き始めた


『自分の事ネタにできるくらいになってください』


梅川君の言葉が頭に響く。そのくらいハートが強くならなきゃいけないって事だ


でもね…中々それが上手くいかないんだよ…梅川君


なんたって人間だからね…
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