私がヒールをぬいだ時

金曜日、いつもの面々が集まった


私に沙織ちゃん、工務店のサチコ、介護ヘルパーの朝子、農協の由美子の５人だ


私達は中学からの仲間で、私が東京いってからも、年賀状や、メールで繋がっている。みんな結婚していて、独身は私だけだ


『まずはひかるの作品の映画化おめでとうの乾杯やな！』とサチコが言った


『ありがとう』

私達は生ビールを乾杯した


『ひかるちゃんにおうた時びっくりしたわ〜実物久しぶりやもん』と沙織ちゃんが言った


『沙織に聞いてびっくやよ、もうこっちに住むなんて』と由美子がおしぼりでテーブルを拭きながら言った


『これからはたまに飲み会できるなあ』と朝子は喜んでいる


『朝子は介護ヘルパーの資格とったんやてな。大変やろ？』


『やっすい給料でハードな仕事やからな〜でも他に仕事ないねん』とぼやいた


『ほんまや…Ｇ市も景気悪いから３０すぎたら中々仕事もないんやで。これからは資格がもの言う時代やわ』とサチコは言う


『だから沙織やひかるみたいに資格、特技あったら食いっぱぐれはないいうことや』と由美子もぼやく


『私も厳しいで。流行らんようになったらもうおしまいやもん。だから新しいもん次々に勉強せな、漫画描かれへんわ』と私もぼやいた


『私は最近、整形から救急に移ってん。夜勤少ないけど給料減ってしもたわ…』と沙織ちゃんは言った


『まあ今日は美味しいもん食べて、飲んでしゃべろらよ』とサチコははしゃいだ


料理はコースだった


お酒の梅酒はさすがＷ県だけあって美味しい！


魚介類も新鮮だし、この店の味は中々よかった


楽しくて、まるで学生時代に戻ったみたいだ