私がヒールをぬいだ時
『それより、私青木の新伍にハワイアンカフェでおうたで』と私は言った

『ああ、あの子の家とか田んぼあの近くやもんな』とサチコが言った


『久しぶりに話ししたけど…結構真面目に仕事してるねんな、私は高校やめた時、絶対ヤクザになるわ〜とかおもたもん』


『ひかる東京いってからかな…お母さん倒れて亡くなってんそれからずっと、お父さんの仕事の農業手伝ったり、親戚の建築屋手伝ったりしてるわ』とサチコは言う


『あんたえらい詳しいな』と由美子が言った


『そら、うち工務店してるんやからそんな話しは入ってくるよ』


『お母さん亡くなるまでは、よ〜ぶらぶらしてたで。パチンコ屋の前で見かけたり、飲み屋で見かけたり…』と朝子が言った


『でもまだ独身やし、どうよ、ひかる』とサチコが言った


『アハハ、男前やしいうこと無しやけどな。ええ人いてるんちゃうか』と私は笑った


『あの人は誠実やと思うわ。仕事も真面目やし、親孝行やし…それにくらべて…松見の噂知ってるか!』と沙織ちゃんが言った


『松見君どないしたん?』と私が聞いた


『真面目な銀行員装ってるけど、女にはしゃーないらしいで。あの銀行では有名!』


『結婚してるよな、彼』と私は言った


『してるよ。私ら同級生の中でも1番に結婚したんやで!』と沙織ちゃんは言う


みんな興奮していたが…実は私は知っていた。彼が恋多き男だと…
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