私がヒールをぬいだ時
学生時代からよく恋の相談にはのってたし、彼が大学時代もたまに東京に遊びにきて飲みにいっては恋の話しをした


最近まで、何度も浮気の告白もされた。でも彼にしたらそれは浮気ではなく『恋』なのである


家庭は家庭、恋は恋、そのポリシーは変えないのだが…私的にはそろそろ家庭にだけ目を向けてほしい


松見は私がなんでG市に帰ってきたのか知ってる唯一の同級生である


この仲のいい面々にも言えない秘密の理由を彼は知っているのだ


私は家に帰りパソコンを開いた


松見あてにメールを打つ

【松見アキラ様
そろそろ銀行口座移したいので時間あるときうちに来てください。それと今日同級生と飲みました。いろいろ話題になってますよ、ではよろしく】


翌日松見はすぐに来た


『なんやひかる、あのメールは』と笑った


『定期預金とかおろしてしてるから頼むわ、あとここの家の光熱費やら通信費もこの口座で引き落としできるようにしてな』


『はいはい、ありがとうございます。で、メールの意味は?』


『女ったらしやいう噂流れてまっせいうことや』


『みたいやな…最近は大人しいんやけど。ちょっと新人さんに優しくしたらこうや…』


『奥さんの耳に入らんの不思議やわ』


『もう知ってるんちゃうか?』


『耳塞いでんのん?』


『どうやろ…こんな噂流れても家庭は一家団欒やわ…おかしいやろ?』


『こんな小さな町、噂ひろまるんなんかあっという間やろ。まあ…まさか松見の恋の相談相手が私とは誰もしらんだろけど』


『ひかるがまさか婚約パーティーどたキャンされて、ショックでここにおるってのも誰もしらへんがな』


『ついでに言うとパーティー会場で倒れて、病院送りになったこともや…』


『恋愛の神様、立花ひかるの大スキャンダルやな』


『担当に言われたわ。それネタにして漫画描けって』


松見は大笑いしている…
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