私がヒールをぬいだ時
一応女なんです
徹夜が二日続いた。私は慣れてるが康子ちゃんには少しきつそうだ


少し仮眠してもらって、また仕事再開


康子ちゃんはへとへとになっていた


『週刊誌のほうが合併になって、でるのが早くなったんよ、頑張ってね』と私は声をかけた


『大丈夫です。私今回スタミナドリンク持ってきてますから!先生飲んでください』と渡された


私達は一気飲みすると、またデスクに向かった


夕方仕事が終わった。私は『康子ちゃん、丸ちゃんとこいかへん?』


『いいですね。なんかビール飲みたいです』


『今日は私のおごりやから飲んで食べてや。帰りはタクシーで帰ったらええから』


私は丸美に電話して、席を二つ確保してもらった



店は予約席以外は満席だった。焼鳥の焼いてる匂いで私達はお腹がぐーっとなる


笑いながら席につくと、くにっちに生ビールを注文した


『美味しい!』


『たまりませんね!』


『丸ちゃん、焼鳥適当に焼いて〜あと唐揚げね』


『はーい。何二人とも、目の下にクマできてる』と丸美は笑った


『二日徹夜だったんよ。お盆に向けて締め切りがいつもより早くなってね、そのあとの原稿早めに仕上げたんや』


『二日徹夜なんて、私も初めてでしたよ。いい経験です。いろんな仕組みわかりました』


『まあ週刊誌のは不定期連載やから、東京いたころは楽しとってん。でもここにいるかぎりは手抜かれへんわ』


私達はもう二杯目の生ビールを口にしていた


『康子ちゃん、どんどん食べてや。週末は休みにするから』


『そやで、姉ちゃんのおごりやからいつもの作ろうか?』


『じゃあ…食べよかな』


『いつものってなんよ』


『裏メニューの親子丼や。康子ちゃんはビール飲みながらこれいくねん』


『美味しいですよ、先生』


『ほんまに?ほな私にも作ってや!』


『丸ちゃんの味付け最高なんですよ!』と康子ちゃんは焼鳥を頬張りながら、笑った


よく食べて、飲む、朗らかな子だ
< 31 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop