私がヒールをぬいだ時
イライラしたので仕事がストップしてしまった


ベットに寝転がって気持ちを落ち着けた…


私はあんな男と何年も付き合い、結婚しようとしてたのだ


上っ面ばかり見て、中身は見てなかった


あんなスカスカな人間に恋をして泣いたり笑ったりしてたのだ


恋をするのはいいことである


でもやっぱり中身のある人間、ない人間は見抜かなきゃいけない年頃に私は、中学生並、いやそれ以下の恋愛していたのだ

自分にも責任はある


私はこの電話の事を忘れようと仕事をした


意外にもそれはあっさり忘れる事ができ、昔の恋愛がやっと終わったなと実感したのである



11月に入り、梅川君がまた家にやってきた


『今回も中々いいできですね。ワクワクさせるストーリー展開だ』


原稿を見ながら梅川君はそう言った


『梅川君、今日は康子ちゃんと三人で妹の店いかない?』


『ああ、焼鳥屋さんの?いいですね』


『じゃあ予約いれとくから』私は丸美に電話してテーブルを一つキープしてもらった


夕方三人でタクシーに乗り丸美の店にいく


『いらっしゃい!姉ちゃん、あの奥のテーブルやで』


『ありがとう。生ビール3つに焼鳥はお任せで頼むわ』


丸美がカウンターからでてきてこう言った


『姉ちゃん、あの人が担当さん?』


『そやで、梅川君いうねん』


『めっちゃ男前やん!この町には絶対ない顔やわ…しかも康子ちゃん、なんか満更でもないんちゃう?』


『山本さんもうかうかしてられんな。はっぱかけたげや』


私はテーブルに戻ると三人で乾杯をした


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