私がヒールをぬいだ時
『お母ちゃん、こんなんでよかったか?お父ちゃんには刺身買ってきたで』


『上出来や。なあひかるちゃん、暑いから髪でも切ってきたらどないや。最近はG市も美容室たくさん出来ててすごいで』


『G市もかわったよな…タクシー乗っててようわかったわ…あ、さっき沙織ちゃんに会ったで。今度皆で集まって食べようか〜って。』


『H病院の看護士やろ?時々会うわ』


『なんや…病院いってるんかいな』


『内科にな。糖尿病にひっかかりそうやから月に一回お父ちゃんと行ってる』


『そら、ええことや。若くないんやからいろいろ気になるとこは治してもらいや』


マツが私に何か言ってくる


『マツ、お前のは買ってないんよ。夕方ばあちゃんに美味しいのもらいや』


マツは三段ボックスの引き出しをがりがりと掻き出した


中をあけるとドックフードやオヤツが入っていた


私はビスケットのような物をあげたが…


鼻でフンッ!とされた…

どうもお気に召さなかったようである


『それ丸ちゃん買ってきたけど、あんまり好き違うみたいやで』


まあ〜なんて生意気!私は匂いを嗅いで食べてみた


…普通のビスケットの味じゃない!人間でも食べれる物をこいつは〜!
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