私がヒールをぬいだ時
ヒールは私の心の中
私と新伍の噂が広まるのに時間はかからなかった


同級生からはメール責め、丸美の友達からも引っ切り無しにに電話がきた


親戚はどよめき、新伍のお父さんはとても喜んでくれた


年が明け、私と新伍は神社に初詣に行った


まさに晒しである…


私達カップルが今どれだけG市を騒がせているか


『なんか大袈裟やな…』と私はぼやいた


『まあ気にせんとけ。注目されるんはお互いなれとるやろ?』


『そうやけど』


『うちでお節でも食べるか?スーパーで買ってんねん』


『うん、行くわ』


私達は急いで初詣を済ますと、車で新伍の家に行った


『明けましておめでとうございます、お父さん』と私はこたつでうたた寝してる、新伍のお父さんに挨拶した


『おお、ひかるちゃんか!お節、食べんか?鯛もあるで』


『いただきます。お腹空いてるから』と私はコートとマフラーを脱いだ


『親父、今日は飲みすぎや…しかもこたつでうたた寝なんか風邪ひくで』


『まあ、ええやないか。今年はひかるちゃんもいてくれるから、お前嬉しいやろ』


『何いうてんねん。酔ってんねな』と新伍が笑った


私は小皿を3つ、割り箸を3つもってきて、お節を取り分けた


『さあ食べましょう。美味しそう』


テレビではお笑い番組が流れていた


こんなお正月、何年ぶりだろう…ろくに田舎に帰ってこなかった自分を少し恥じた


丸美達は毎年旅行に行くらしいが、妊娠のため取りやめになった


多分くにっちの実家で今日は過ごしてると思う


私は和やかに時間を過ごした


『明日は立花の家行くから』


『じゃあ私迎えに来るから待ってて』


そういって私は車で帰って行った
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