私がヒールをぬいだ時

寝る前に出版社の担当の人が電話をかけてきた


『遅くにすみません。先生、原稿どうなりましたか？』


『今日のお昼に送ったわよ』


『助かります。でも先生…ホントに東京戻ってこないんですか？』


『うん…そのつもり。わかるでしょ？安田さんも…』


『気持ちはわかりますが…そちらにはアシスタントさんいるんですか？』


『募集かけるつもり。明日にでも職安行って相談してみるわ』


『今度、先生の担当もう一人増えました。こう遠いと中々連絡も取れないし独身ですぐＷ県いける、いきのいい奴です』


『ありがとう。ごめんなさい…いろいろ気を使わせて』


『東京、戻ってくる時は必ず知らせてくださいね』


安田君には悪い事したと思ってる…私の感情に振り回された一人だから


さて来月の絵コンテでも仕上げておくか…寝るのはそれからだ



朝、マツの鳴き声で起こされた


どうやらお父ちゃんに、いってらっしゃいを言ってるようだ


私はパジャマのまま、下に行きマツと一緒にごろ寝した


『ひかるちゃん、朝ご飯今日は何する？』


『玉子かけご飯がいいわ。ぼっかけ、ぼっかけ』


『簡単な子やな。はいよ』


『美味しそうや』


『そろそろ丸ちゃんくるで』


『早いな、もう来るんかいな』


『丸ちゃん、散歩終わってから少し寝るんや』


話ししてるまに、丸美がやってきた


『マツ〜お待たせ』


『なあ〜丸ちゃん、あんたがいつもいってる美容室お昼から連れてってくれへん？』


『ええよ、何時頃ええんよ、予約入れといたるわ』


『２時くらいやな。お願いするわ』


『わかった、マツ行くで』


マツは嬉しそうに家をでていった


さあ顔洗って、仕事仕事！